おすすめの温泉「山形県赤倉温泉/三之亟」
山形県は44市町村すべてに温泉が湧く温泉どころだが、
ひなびた湯治場風情を残すところが多い。
なかでも宮城県境に近い赤倉温泉は、
千年の歴史を誇る古きいで湯。
松尾芭蕉が辿った奥の細道で唯一現存する古民家「封人の家」もある。
この"封人"とは、国境を守る関所役人のことで、
大雨に遭った芭蕉が3日2晩、この家で世話になったそうだ。
その赤倉温泉の入り口にたたずむ、
江戸時代創業の老舗が「旅館三之亟」。
初代当主の高橋三之亟が、
つるはしを使って手掘りで巨岩をくり抜いて造ったとされる内湯は圧巻である。
大きな一枚岩が壁面にあり、その岩間から300有余年、
現在もとうとうと源泉が流れ出ている。
湯は透明な含芒硝食塩泉。
石膏分も含んでいるためセメントのような匂いもわずかに香り、
この温泉にさらされたためか、湯船がツルツルとして肌に心地よい。
昔の旅籠を思わせる門構えといい、
茅葺き屋根の食事処「芭蕉庵」といい、
洗練された趣をもちながらも、芭蕉が言う"閑けさ"をもった日本の宿である。